水曜日, 1月 30, 2013

26日に安岡章太郎が亡くなっていたことを知ったのでガラスの靴(1951年)を再読する。進駐軍ハウスで働く幼く思わせぶりなメイド悦子と、手に入らないと知りつつもその魅力に抗えない無力な僕の淡いひと夏の恋。これを読んで重ねあわせたくなる思い出もある。
放っておけば、手の届かぬ距離にまで、はなれてしまうかもしれない。と言って、いま僕が言葉をかけるとすれば、それは自分の手で彼女とのつながりを断ち切ることにしかならないのではないか。
安岡章太郎/ガラスの靴を知ったのは村上春樹「若い読者のための短編小説案内」がきっかけだった。