土曜日, 3月 15, 2014

ぶらっと自転車に乗って15分。sole cafeまでマテオ・ストーンマンのライブにでかけた。会場についたのは開演の10分前。客はスタッフをふくめて20人ほどだろうか。テーブルも出たままのセッティングでコーヒーハウスライブという雰囲気。席につくと、すぐそばに出番を待つマテオがいて、おおおこれがあの甘くロマンチック声で歌うマテオなのか!と、ちらちらみてしまう。キューバ音楽のリラックスした南国のイメージが強かったが、その表情は意外なほど固く神経質そうでもあり、椅子に座って微動だにせず、あきらかに緊張している様子が伺えた。時間がくるとMCをはさむことなくおもむろにギターを胸の位置まであげるその姿がまず目を引いた。ギターはストラップもつけていないのでかなり不安定で何か独特の美意識を感じる。演奏しているギター自体も普通ではない。雨風にさらされ雷にでもうたれたのではないかというダメージを抱えており、穴が空いているのもみえる。そんな楽器を抱えているのだから、スーツ姿であってもフォーマルな雰囲気はない。ジャケットはタイトでボタンは3つとも閉じていて、着丈は少し長めに映るが、それはマテオの体型が小柄で寸胴で顎のラインが丸いせいかもしれない。靴もずいぶん履きこんだクタクタのスリッポン。アルバムジャケットなどの写真からは掴めなかったことを至近距離で強烈に感じた。マテオは最初の2、3曲を終えた時点で、演奏中の写真を撮っていたカメラマンに「可能なら撮影は後にしてほしい」と伝え、徐々に自分のペースで調子をあげていく。ときおり英語でMCもはさんではきたが、そのタイミングの取り方などはかなりシャイな感じで、伝えようとしているのかどうなのかが曖昧。それでも曲が終わるたび、まだ音が響いている間から余韻をゆるさずキョロキョロと客席をみたりして、客は響きが消えた時点で拍手をした。この微妙にかみあわない感じがおかしかったが、我々は熱心な聴衆であったと思う。マテオ・ストーンマン、最高でした。