火曜日, 3月 12, 2013

定時に退社し、「ジョゼと虎と魚たち」を観た。くるりのメインテーマから勝手に想像していたものとは違って、これは…ちょっとモロにくる。思いがけず身につまされる映画であった。自分の言葉で何も書けないくらいに。
恒夫は普通過ぎるほど普通で、あまり物事を深く考えず若くて欲望に忠実、素直で気の好いのだけが取り柄な男。だからこそジョゼと恋愛ができた。(だからこそ別れてしまうのだが)これが福祉まっしぐら真面目ボランティア男ならダメダメなのだ。旨い飯につられて通いにくるちゃっかりさとか、帰らないでくれと言われてそのまま居着いてしまうとことか、いとおしいのはジョゼより恒夫の「普通」さ加減だ。それこそがジョゼが生涯手に入ることはあるまいと諦めていたものだから。しかし付き合いが深くなるにつれ、愛おしい筈のその普通さは陰り苦渋が混じり始める。ラスト、子供のように泣きじゃくる恒夫と対照的に、ジョゼの背中にはもう失うものはなにもない人間の強さを感じさせる。
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